稲沢市正明寺にある、焙りたてCOFFEE 乃蒼(ノア)は、鮮度の良い豆を使用し、焙煎から、挽き方に至るまで、客が求める”一杯”を提供することに心血を注ぐ、尾張地域では数少ない珈琲店だ。
大阪の「NPO法人一杯のコーヒーから地球が見える」
一宮さんから、珈琲の淹れ方を習い、
当時、巧さんが感じた「本物の珈琲を知った時のカルチャーショックを多くの人に受けてもらいたい」という思いから、店構えは誰でも入りやすい店にすることを目指した。一方で、国分寺マルシェやZAWA友FESTAに出店するなど、市内外の方に向けた積極的なアピールを欠かさない。
本来、新鮮な珈琲は解毒・利尿作用に優れた、アルカリ度の高い健康食品で、ポリフェノールをはじめとした約3,000種類の栄養素が含まれている。しかし、珈琲豆は酸化がとても早く、焙煎後、豆の状態で7日、挽いた粉の状態では3日で酸化してしまい、本来の風味は失われ、にが味、えぐ味、胸やけの原因になってしまうと、巧さんはいう。
こうした酸化と共に失われた栄養素は、最終的にはカフェインだけが残り、一般的に市場で売られている焙煎後の豆は本来の栄養素が失われているとともに、豆本来の風味まで損なわれているとのこと。
また、大手フランチャイズの豆は、海外の生産農家にとって、納期までに大量の珈琲豆を用意しなければならない大仕事であり、ほとんどが機械で一斉に収穫する。地面に落ちた豆、虫が喰ってる、虫自体が入っているなど当然で、時には石まで混入しているなど、品質はお構いなしでとりあえず決められた重さを用意する。だからこそ、メーカーはこうした混入物を焼いて排除するため、過度に深煎りせざるを得ず、焙煎した後の状態で出荷している。
こうした大量消費の方法では、価値ある一杯を提供できないという思いから、焙りたてCOFFEE 乃蒼では、なるべく鮮度の高い状態で提供するべく、豆を焙煎前の状態で仕入れ、焙煎は自分たちで行っている。
こうした手間暇をかけて作るからこそ、大量生産はできないが、ランチタイムが過ぎた後の比較的穏やかな時間であれば、客の好みから豆を選び、焙煎の時間を変え、客が望む最上の一杯を提供するようにしているとのこと。
さて、今回は取材のため、特別にグアテマラの最高級豆を使った浅煎りの珈琲を淹れていただいた。
浅煎りで本来、酸味が強く出るように思われたが、口に含むと、口当たりは柔らかく、喉の奥でモカの風味と甘みがひろがった。
「本来、この豆はお店では提供していない特別品。お店で出そうと思うと、1杯1,200円くらいでないと採算が合わない。あくまで特別に僕の趣味で集めている豆を出させていただきました。」と、陽介さんは笑顔で話す。
こうした気さくさやホスピタリティー溢れる対応も、焙りたてCOFFEE 乃蒼の特徴ではないだろうか。
また、焙りたてCOFFEE 乃蒼では、定期的にワークショップを開催している。
焙煎教室やドリップ講座の他、パーチメントやアロマキャンドルなどが開催されており、地元に開かれた珈琲店となっている。
最後に、巧さんに焙りたてCOFFEE 乃蒼にかける想いを聞いた。
「他の珈琲店は、”俺の味に合わせろ!”とばかりに、店がお客さんを選んでいる。そうではなく、私たちは大型焙煎をしていないからこそ、お客さんの好みに合わせた一杯一杯を大事にしていきたい。」
コーヒー本来のおいしさ。この一言に心血を注ぐ「焙りたてCOFFEE 乃蒼」には、焙き立ての珈琲豆の香ばしい香りがいつもひろがっている。
【焙りたてCOFFEE 乃蒼(ノア)】
〒492-8145 愛知県稲沢市正明寺2-16-11
TEL 0587-58-6100
8:00~20:00(定休日 月曜日)
モーニング:8:00~11:00 ランチ:12:00~15:00
公式ホームページ http://localplace.jp/t200303901/
コウケツ トモヒデ
最新記事 by コウケツ トモヒデ (全て見る)
- 珈琲は挽き立てが美味い?いや、焙り立てでしょ!@焙りたてCOFFEE 乃蒼 - 2018年3月18日
- 赤染衛門歌碑公園。春の訪れがこんなところに - 2018年3月18日
- 国府宮神社参道に陶器50万点集まる - 2018年3月18日